2011年2月6日(日) くもり
筋肉痛
少し曇り気味の空の下、傍らを流れる川はさらさら流れている。まだ冷たいが春を感じさせる暖かさが加わった風がそよぎ、相棒は後ろでコーヒーを淹れるため、バーナーでお湯を沸かし始めた。そんな中、死ぬかもしれないと思いながら岩にへばりついている。
野外にボルダリング(低い岩を登るクライミング)に行った。人生で二度目だ。それまで室内のジムである程度は登っていたので少し天狗で出掛けたが、これが登れない。
人口壁に比して格段に持ち(置き)難い手(足)掛かりが、己の自然物っぷりを見せつける。何より足場が悪い。専用のクッションはあるが、飛び出した石の上に敷いてあったりし、墜落時の恐怖は、中身の分からない箱に手を突っ込む時に似る。特に上部で先に進めず飛び降りるしかないといった場合、もうどうしようかと思う。それが、今だ。
漂ってくるコーヒーの香りの中、ぷるぷると限界を迎える筋肉だ。
2011年2月20日(日) くもり
撮りまくり
写真機を買った。一眼レフのデジタルカメラだ。そしてまた言葉が増える。
写真では、ピントが合っている部分の広さを表す度合いとして「被写界深度」という言葉を用いる、らしい。ピントが合っている面積が大きい程、被写界深度は「深く」なる。
あるいは「ボケ味」だ。
ピントが合っていない部分のぼやけ具合はレンズによって変わる。そのぼやけ具合を「ボケ味」と呼ぶ。レンズ毎にぼやけ具合が違っており、そのレンズの個性となるそうだ。
困った事は、こうして覚えた言葉を日常で使いたくなる点だ。例えば要点がよく分からない話しに対し「その話し、被写界深度浅いねぇ」と言いたくなっている。あるいは愛の告白の時に「君のボケ味、最高!」はどうだ。まぁボケはお前だという話しだ。
新しい世界は新しい言葉を連れてくる。新しい言葉は、新しい認識となる。使いこなせるかどうかは、別としてだ。
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