2011年9月23日(金) 晴れ
虚言
 姪(六歳)と姉が会話をしている。
 「公文やったの?」「やったよ」「嘘。やってないでしょ」「やったよ。窓の外にいる人が来て、やってくれたもん」
 半ばふざけて、姪はそう口にした。聞いた瞬間悪戯心が沸き起こり、
 「そんな事言ってると、ほんとに来るぞ」
 と口を挟んでしまった。言った端から、自分でも怖くてしょうがなくなる。
 まったく酷い叔父だ。いくら嘘を吐くのを諌めるためとはいえ、年端も行かない女の子に言う台詞ではない。普段は窓の外にいて、宿題をやるためにそっと家の中に入ってくる人物、一体それは誰だ。怖過ぎる。
 結果、「そんな事言わないでぇ・・・」と姪が半べそをかき始め、姉は爆笑しながら「怖い怖い」を連呼し、自分は自分で鳥肌を立てつつ「すまんすまん」と姪をあやし、結局公文の宿題の事はあやふやになっていく始末で、「姪よ。やるな」と言いたい。

2011年9月24日(土) 晴れ
さるきゅー
 屈辱的な敗北を喫した。それはそれは屈辱的な敗北だ。
 勝者はジュウジュウと小気味の良い音を立てて肉を焼いている。あまつさえ、冷えた生のビールまで呑み干す始末だ。敗者たる我々は、それを横目に帰り支度をしている。おめおめとという言葉が、これ程身につまされた事はない。
 フットサルの大会だった。その日我々が目指していたのが、BBQだ。ユニフォームやボールといった「品物」ではなく、肉を焼いて食べるという「行為」が優勝賞品だという、なかなかセンスのある大会だった。喜び勇んで参加し、方々に声をかけて人を集め、万全の体制を敷いてBBQ獲りに挑んだ。結果、2位となる。もう屈辱としか言えない。
 途中まで、なんやかやと試合の反省点などを言いあっていたが、肉の焼ける臭いを嗅いだ途端、ほぼ一瞬にして全員無言となる。
 もういっそ、強奪してやろうかと。




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